立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記-年末にひいた風邪

気をつけよう気をつけようと口癖のように言ってきたが、年末の忙しい最中に風邪ひいた。嫁と共にひいた風邪は同じ菌であることは明らか。前の日子供が早朝から嘔吐し、何かを口にするたび嘔吐を繰り返すのが肉体的によっぽど応えたのか、朝飯をほとんど吐き出した後に眠りについた。普段は眠らぬ時間にコットリと3時間。次に起きた時にはあれは何だったのかと思うほど、すっかり元気になっていた。それはそれで良かったのだが、案の定である。今度は両親が二人とも風邪をしっかりいただいたのだ。

 


年末の忙しい時期に風邪…考えただけで嫌気がさすが、何よりもその症状が厄介だった。熱が出るでもなく体がだるく、食欲がないでもなくあまりいつも通り食べると吐き気を催し、直立で立つと気持ち悪くなる。どこが悪いかと聞かれてもはっきりそれが答えられなくて、じゃあ大丈夫だねと言われてもそんなに大丈夫じゃなく、全体的に機能が4割減と言えば伝わりやすいだろうか。70歳くらいの肉体って多分こんな感じなんだろうというような、何とも表しにくい症状だった。

 


ここまでは嫁とまるで同じだったが、私にはもう一つプラスした症状が出ていた。オナラが止まらないのだ。腹痛でトイレに行けばとんでもなく長いオナラが1〜2発出てスッキリ。また数分後にトイレへ駆け込みオナラでスッキリ。これを寝るまで何度繰り返したか、いい加減トイレに行かずにリビングでぶっ放すようになったのだが、そうすると今度は空気清浄機がフル回転。

 


空気の状態を色で示す部分が、汚れていることを知らせる赤を示している。私と清浄機を行き来する嫁の目線を感じつつ、そんなに有害なガスなのかと申し訳ない気持ちと、身内と言えども何とも言えない恥ずかしさが押し寄せて、私の顔が赤くなってきたところで、今夜は早めに眠って完全に治したいと思います。それでは。

雑記-幼い頃に知った1円の大きさ

何故か年末になると蘇る、幼き日の記憶がある。今から30年ほど前の話。どこぞのミルクを使った何とかソフトのような高級なアイスはほとんどなく、100円と消費税があればほとんどのアイスは買えていたと記憶している。冬も深まり雪がチラつく小学生低学年の冬休みのこと。

 


友人と、アイス買いに行こうぜと二人の小遣いかき集めて近くのスーパー向けて駆け出した。当時の消費税は3パーセント。だから206円あれば2人分は問題なく買えるのだが、店に着いてから持ち金を何度数えても205円しかない。家に出る時に数字に弱い友人が206円あった、と確かに言っていたが、それはどうやら勘違い、もしくは道中で1円だけ落としたか。どちらにせよお金は足りない。にもかかわらず、どれにしようかと目を輝かせてアイスを選ぶ友人に足りないよとは言えなかったし、なぜか私も何とかなるだろうという自信があったのは、ただのバカで無知な世間知らずだったからだろう。

 


2人でレジへ向かいお会計でポケットに入ったありったけの小銭を出した。レジで若い女性が10円20円と丁寧にお金を数えて私たちに、あと1円足りないよと優しい笑顔で言ってくれたが、友人は口を開けて何のことかわからない様子。私はほらね、と思いながらも同じくお姉さんを見つめるばかり。一瞬視線を落とし、無の表情に戻った後、今回は特別だけど、次からは絶対ダメだからねと強い目をしながら言って、また優しい笑顔で商品を渡してくれた。帰り道、友人と私の口数が少なかったのは、アイスを食べていたからではない。

 


「1円を笑うものは1円に泣く」

 


あの時の足りない1円はどうしたのだろうか。お姉さんが補填してくれたのか、それとも数え間違えたフリでもしてくれたのだろうか。私が1円の重さを学んだのは、学校でも親でもなく、近所の寂れたスーパーだった。

雑記-夢は無職

結果はどうあれ、それが間違ったことであることは重々承知のうえの行動でしたから後悔はまるでありません。むしろ清々しく、やって良かったと思っているくらいです。仕事中にいつも通り眠くなったから、5分だけと頭の中で唱えて頬杖ついた体勢のまま思い切って目を閉じてみました。するとどうでしょう。ちゃんと眠れるんですね。同僚から気づかれていたかどうかは知りませんが、それからはクリアになった頭で面倒な仕事をえいっえいっと片付けることが出来ました。

 


私は時間に遅れたことはほとんどありません。長所と言われたならそうかも知れませんが、特に一人の時は、遅刻したくないとか遅刻しても良いとか、そんなことを考えたことはほとんどなく、時計もあまり見ずに準備ができた時に何となく家を出ると。するとギリギリに着くこともあるけれど、大体は時間前に着きます。したらばラッキーです。開いた時間でコーヒー飲んでタバコ吸ったり、写真を撮ったり、立ったまま眠る振りをしたり、案外家ではやらない趣味な時間に使えます。そしてそのたった数分間は生きていく上でものすごく重要な気がしていますし、今後も続けていくことでしょう。ただ、だからといって1時間も早くに家を出ることはせず、「たまたま余った時間」というのが大切なんだと思うのです。まあ、それもこれも、「プライベートでは」という条件付きではありますが。

 


ともあれ、言いたかったことは、夢は無職だということ。仕事を仕事と思わずに、ライフワークと呼べるようになればなと、金を産む無職になりたいと思いながら、今年もあと何日だなと物思いにふける無駄な会議の時間であります。
 

雑記-クリスマス、年賀状、ウスター

きらめく街の中で一人取り残された気がしてならないのは、仏教徒だからとかサンタクロースの格好で街を歩くコスプレした人たちを冷めた目でみるとか、アンチぶる自分を創り上げることによることで気持ちよくなりたかったからでなく、出来上がった年賀状にウスターソースを飛ばしたからである。

 


それがフライドチキンなら恐らくこんな事故は起きず、それがケーキでもそうだ。クリスマスの昼間から油っこいだけのハムカツをおやつに休日を堪能していたのがイエスの癇に障ったのか、なぜに私に試練を与えるのか。

 


プリンターから一枚一枚産み落とされる年賀状は思ったよりもずっと綺麗で、最近のエプソンはなかなかやるなと唸っていた。色ムラやかすれがないどころか、きめ細やかな部分までしっかりと色が載っている。画像が綺麗になるのはテレビやスマホだけではなく、ペーパーレスを推奨される時代に逆行するかのようにプリンターもであるのは喜ばしいこと…なのだろう。

 


出来上がった年賀状が汚れぬよう、カウンターテーブルの奥に並べ、1.5メートルは離れたテーブルでハムカツを食べていた。ハムカツにはウスターソースだろう。安くて油っこくて、だけど厚みのあるハムカツにはウスターソースだろう。

 

 

久しく使っていなかったウスターの蓋が開かず、少し力をこめたなら、勢いよく開いてソースが飛び、あとはそういうことである。そのうちの一滴。たったの一滴がきれいな青のグラデーションの上に乗った。オレが太陽だと言わんばかりに鈍い茶色が存在感を放っている。急いでにじまぬようにそっとティッシュで吸い取った。

 


年賀状が足りないわけではないし、印刷すれば済むだけ。ウスターソースでないにしろ、醤油やコーヒーを大事な書類にこぼしてあたふたしたという経験がある人もきっと少なくはない。よくある話だが、クリスマス、年賀状、ウスターソースの組み合わせで試練が天から降りてきた人の数は圧倒的に少数だろう。

 


それも汚した年賀状は宛名を空けた予備の何枚かでなく、キッチリ会社関係の人に出すやつと。去年はプリンター、その前は年賀状の売り切れ。年賀状に関する不幸が毎年必ず訪れるから、だから私は年賀状が嫌いなのだ。

雑記-喜び方と場所とタイミング

深夜の人通りのない路地ではありません。帰宅中の人で溢れる大通りです。私の前の自転車乗った、冬の寒さ厳しい中でジャージにスウェットというやや季節外れ感のあるラフな格好した若そうな兄ちゃんが、20メートル進むたびに天に拳を突き上げるのです。それも一度や二度ではなく、少なくとも私と別れる長い直進の終わりまでずっとです。信号待ちではゴール決めたサッカー選手のように、手を腰辺りで左右に広げて上下させ、顔は空を見上げて何かを呟いているようですし、トトで一生遊んで暮らせる金が当たったとか、生き別れた妹が実はガッキーだったとか、よっぽど嬉しいことがあったんでしょうか。

 


幸せなことがあれば喜ぶのは結構なことだと思いますよ。ただね、見知らぬ人が大勢いる中でのガッツポーズはどうなのでしょうか。クールじゃないよね。実は私も少しですが、嬉しいことがありまして。だけれど人前でガッツポーズはしない。クールじゃないから。

 


しょうもない話かも知れませんが、よければ聞いてください。人の幸せほどつまらないことはないと言う人はこのまま閉じてください。

 


イラレやフォトショとか、イケてる側の人間しか使えないものだと思っていたソフトが実は金を出せば誰でも手に入ると知りまして、私も飛びついて買ったんですわ。心踊る道具を手にしたなら子供も大人も同じ。さっそく何かに使ってみたくなりますわな。ちょうど良い時期だったので、私は年賀状をデザインから作成することにしたんです。

 


おかげさまで操作は随分慣れてきました。なんせ年賀状デザインを5パターンも作っているわけですし、そりゃ多少は慣れますわ。あ、5パターンと言っても完成したデザインが5つという意味で、完成しなかったものも含めたらそりゃ20は…いや言い過ぎですね。7パターンはあったわけですよ。ええ。ただね、完成した4つはまるで納得のいくできではなかった。100点満点で言うなら高くて60点低くて20点、3つ目のデザインに関しては、嫁からスーパーでおんなじの売ってたよと言われる始末。

 


クリスマスも目前に迫ってきて、こりゃ今年もネットで拾うしかないかと諦めかけたその時、天から降ってきました。アイデアが。これだと思い急いで作ってみたなら、悪くないんですよ、むしろいい。これならば人様に見せても恥ずかしくない、というものが昨日完成しまして、日数も余裕があるしということで、今は肩の荷が降り、喜びに胸を弾ませてるところです。だから、トイレでクソを絞り出しながら一人でガッツポーズしましたよ。ちなみに点数をつけるとしたら、65点かな。

雑記-雨と罪悪感(下)

つづき

 


マンションのロビーで一夜を明かすにはあまりに寒く、もしも浮浪者と間違えられたなら警察出動までありえる。そうなるとなおさら嫁に合わせる顔がない。となれば安く体を温め仮眠のとれるマンガ喫茶か。幸い今日は週末ではない。満席の可能性はさほど高くない。

 


ならば嫁に一通だけラインをしておこう。もしもそれに気づいて返信があれば家に入れてもらえるし。

 


ーー鍵玄関に忘れたのでマン喫に泊まります。

 


既読が付かないラインを何度も確認しながらマン喫に向かうと、幸運なことにフラットタイプのブースを確保できた。私は眠る時には横を向いて丸くなるか、うつ伏せで携帯触りながら寝落ちすることが多いのもあるが、疲れている時、仮眠する時に体を横にできるのは嬉しい。適当にマンガと飲み物を手に取り、ブースに入って横になると、マンガを開くか開かぬか分からないうちに眠りについた。だけど当然深く眠れることはなく、さらには隣のイビキと寝言がうるさくて、朝4時から、眠れずに仕方なくこの記事を書き始めた次第である。6時半には帰るとして、もう少し眠りたいのにお隣さんと言ったらまったく。

 


どんな夢をみたらイビキとイビキの間に「ダメダメ」と寝言を言うことになるのか。しかも一定時間をおいて「ダメダメ」である。おっとこれで4回目。本当に寝言かどうなのかも怪しくなってきたが、隣のブースを覗く勇気はない。あと2時間弱。仮眠をとることすら許されぬらしい。ほらまた、これで5回目だよ。小言の神はまだ許さない、ダメダメと言っているようだ。

雑記-雨と罪悪感(上)

小言を言うつもりはなかった。それで嫁の個性が死んで得するものはないとも思った。なぜあんなことを言ったのか。大したことではないかもしれないが、鋭い小言を嫁の胸に突き刺してしまったかも知れない。それに怒った小言の神がきっと私に戒めの意味で強めの罰を与えたのだろう。

 


しょっちゅう、出かけた先で鍵や携帯をどこにしまったのか分からなくなる嫁に、どのポケットに何を入れるか決めたらどうだと言ってしまった。嫁の、探すのが楽しみなの、何がどこにあるのか探すのを楽しんでるの、と冗談かどうか見分けられない真顔での返答に肯定も否定もしなかった。

 


そういえば付き合い始めた時から確かにそうだった。部屋を出て、マンションのエレベーターの前で下矢印ボタンを押したあとに、慌てて忘れ物を取りに行く嫁を見て笑っていた、言い方を変えたなら楽しんでいたし、それによって何かに遅れたとか事故ったとか損したとか、そういうこともなかったから、修正を要する必要のない個性だと思っていたし、今でもそうだと思う。個性は消さずに伸ばすものだ。だからなぜあんなことを言ってしまったのか、いまだに分からない。

 


それから2日後の晩のことである。久しぶりに夜飲みに行きたいと言うと快くオーケーしてくれたので、嫁には帰る時に特にメールもしないから先に寝ててくれとだけ言って、雨の降る夜、電車とバスを乗り継いで行きつけのバーで酒と話を楽しんだ。店を出たのが閉店の1時頃。終電はなく、タクシーを乗ろうか迷ったが、金銭面の負担が、それをためらわせたから、凍るほど冷たい雨の中、傘をさして30分歩いて帰宅した。

 


玄関が近くにつれて、頭だけ洗ってさっさと眠ろうとイメージしながらいつも鍵だけしか入れないパンツ右側のポケットに手を入れて気がついた。鍵がないのだ。落としたか、いや違う。家の玄関だ。さっき家を出る間際に鼻毛が気になって洗面所に向かう時に、一旦手にした鍵付きキーホルダーを下駄箱の上に置いた映像が頭の中で再生された。やってしもた。しかも嫁にあんな小言を言った手前、プライドのようなものと罪悪感のようなものが邪魔して、既に嫁子供が眠った我が家のチャイムとか、枕元に置かれているであろう嫁の携帯へのコールボタンが押せなかった。立ち尽くすこと数分、頭を抱えて玄関の扉の前でしゃがみ込んだのは初めての経験だ。

 

 

つづく