立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

船をこぐ

優しさとは何だろう。愛とは何だろう。少し考えさせられる事があったので、今夜だけは間接照明の優しい明かりの中で聞いてはもらえないだろうか。


今、くそが付くほど忙しい時期で、それに加え、下旬に控える引越しの準備に追われて毎日がヘットヘトのヘッロヘロである。ふかふかのお布団と硬めの枕があれば、お酒も夜景もセクシーな美女もいらない。栄養と少し熱めのお風呂、そして5分でも長い睡眠が今の私たちにはきっと必要なのだろう。


気づけばソファの前に座り込み、2人揃って前後左右にグワングワンと大きく揺れていた。終電で酔っ払いのお父さんがそうなっているのを見た事はあるが、隣に知らない人、そもそも自分の家でないならば、そう簡単に倒れるわけにはいかんと、睡魔に打ち勝とうとするのはわかるのだが、2人ともの慣れ親しんだ家にいるにもかかわらず、倒れまい、倒れてはいけないと必死であった。まだ9時を回ったところである。必要なのは休息かリラックスか。


10分程たった頃だろうか。彼女の寝言でふと目を覚ました。


良かった、明日は日曜日だ。


…我が耳を疑ったし、このまま寝かせといていいものだろうかと悩んだが、知らない方が、夢のままで終わった方が幸せな事もきっとあるのだと思ったので、その時はそっとしておく事にした。


明日は火曜日である。仮に金曜日であれば、笑って起こせたかも知れないが、現実は昨日が日曜日で、今日は月曜日、まだ週のスタートを切ったばかりである。


夢から現実へ、この落差を優しく受け止めてくれるクッションを用意する事は果たしてできるのだろうか。少なくとも今の私にはそんな術は無く、履き違えているかも知れない優しさがそっとしておくという選択肢をチョイスした。


正解だったか不正解だったか、いつか答えが見つかると信じて、このままうたた寝を続けたいと思います。それでは。