立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

蕎麦屋店員のパワーバランス

チェーン店ならチェーン店ならではの良さがあると私は思う。味の追求をしたいのであれば、老舗と呼ばれる蕎麦屋に行ってそばだけでなく、一品料理や蕎麦湯までをじっくり味わうべきである。見るからに食通、蕎麦通と言えそうな人たちが足繁く通うお店も魅力的ではあるが、どちらかというと、入りやすいのは肩肘張らないチェーン店である。蕎麦つゆには蕎麦の香りを楽しむため少ししかつけず、噛み過ぎずに飲み込み余韻を楽しむ等々、粋と呼ばれるたしなみ方があるようだが、壊れたアイロンを買い換えるのが目的の休日お昼にはお手軽感と懐に優しい価格設定が最優先となる。


運良く並ばず入れたこのお店は、カウンター席のみの回転寿司屋のような店内の造りの蕎麦屋で、5人のスタッフがくるくると目紛しく動いている。ホール中央で天ぷらを挙げている恰幅のいいおじさんはこのお店の社員・店長でこのお店のナンバー1だろうか。そのすぐそばで揚がりたての天ぷらをご飯の入った丼に乗せてたれを手早くかけてお客さんに出している20代そこそこのお兄さんは、バイト歴長めで社員にならないかと言われていてもおかしくなさそうな、できるスタッフだろう。店長と息のあったコンビネーションは見ものであるし、さしずめこのお店のナンバー2と言ったところだろうか。


そして、ナンバー3は、奧の厨房から蕎麦を茹でている腕しか見えないあなただ。厨房を縦横無尽に動いている様が見て取れ、蕎麦屋の蕎麦を茹でるのを許されている、言わばサッカーでいうとボランチ的な最も重要なポジションにつくことが許されるレベルのスタッフである。ナンバー4は注文聞いてお茶のお世話をしている、歴が一番浅そうなメガネの彼で間違いはなさそうではあるが、わからないのは持ち場がなさそうで、忙しそうなところを見つけては手を貸している若くてきれいな20歳超えて間もないように見える彼女である。たまにナンバー2からポジション奪っての天丼の作り方を見れば一目瞭然、ただのバイトとは言えない手際の良さだし、何と言っても店長と仲が良い(馴れ馴れしい)のが特に引っかかる。


ゲスな考えが真っ先に浮かぶ私なので、愛人なのか…? と一緒に行った彼女に聞いたところ、このクズやろうとの言葉が返ってきたので、人を見た目で判断するのはよくないことだとわかっているし、ナンバー1はおじさんでなく、彼女だったと、そう思う事にするとして、本日もなかなか眠れぬ夜を過ごす事なく熟睡するといたします。それでは。