立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

長時間煮込みカレー

もちろん素人の中でではという前提付きではあるが、学生の頃から煮込むことに関しては私は少しうるさいのである。例えばカレーであるが、材料が溶けて無くなるほどじっくりコトコト煮込めば、煮込んだだけ美味しくなると思っている。事実、失敗を除いてまずいカレーは作ったことが無いと自負しているのだが、やや大きめに切った玉ねぎはスープの中に溶け込んで分からなくなるし、牛すじなんかも形を留めないくらいまで煮込む、手羽先を入れれば身がほろほろ崩れ、ほとんど骨だけになってしまうのが私のカレーである。時間も当然その分かかるわけで、昼過ぎに作り始めたカレーが夜に出来上がるということもしょっちゅうなのであるが、嫁にはそこまで時間かけて作るなら市販のルーでなく、スパイスにもこだわれよという呆れにも、クレームにも似た提案をよくいただくのである。


スパイスにこだわった本格的な、インド的な、あるいはパキスタン的なカレーも作って見たい気持ちはあるのだが、私は市販のルーで手軽に作れるはずなのに手間をかけるというのが好きなのである。そもそもスパイスなんかにこだわりだしたら、それこそめんどくさいし、コスパ悪いしと言ったところで、ならば煮込む時間をどうにかしろと言われそうな気がするので、それは曖昧に返事をしているのである。


学生時代から幾度となくこの長時間煮込みカレーを作って来たのだが、毎回毎回具材が違えば味が違い、作るたびにドラマあり試練あり、そのたびに私という人間が大きくなってきたのだと、そう思っている。火にかけたままうつらうつらとしてしまい、完成間近で焦がしてしまう大失態を犯したこともあるし、6畳一間で住んでいた時には数日カレーの匂いが部屋に染み付いてとれず、眠れない夜を過ごした事もあった。梅雨時期には、次の日にはカビていたこともあったし、そのたびにもうカレーに時間はかけないと思うのだが、時が経つとまた作りたくなってしまう。カレーの魅力は食べることだけじゃ無い、そう語る私の横で今日もまた嫁はレトルトカレーをチンするのである。


涙あり笑いありの夏が近づいているようですが、本日はなかなか夜風が涼しいので、少しだけあったかくして眠ろうと思います。それでは。