立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

諦めと呆れ

くつくつと沸いたお湯に入れるだけで、香りと旨味が広がる美味しいお出汁ができる出汁パックをいただきました。休日の昼などに作るうどんのお出汁はお湯に醤油と味醂と顆粒のお出汁の素を溶いただけのそっけないものでして (あれも手軽で美味しいのですが)、素人の私としては強気と思える、まるで手が出ないお値段でお店に並んでいるこの出汁パックは、フンフンなるほどと、そこらによくある牛丼屋、バンバーガー屋の味に慣れた私の舌ですら、反応良好、ひと唸りもふた唸りもしてしまうほどでした。


例えば、今の私の怒りも出汁パックのようにお湯のようなものを媒体とし、出切ってしまったとしたら、スカッとした日々を送れていることでしょう。ここ2日間ではあるのですが、もはややり場のない怒りに、モヤモヤとした時間を過ごしているのです。


この怒りの発端は2日前、スーパーで買い物をしていた時のことです。ちょっと買いだめをしておこうと普段使わないガラガラで店内を周っていたのですが、ガラガラ同士、すれ違うのでいっぱいいっぱいの細い場所があり、必ずここを通らざるを得ないのです。


この日、この狭い通路にガラガラを斜めに置き、すぐ横に積まれたイチゴのパックをひっくり返しながら選んでいる子ブタのような、綺麗とは程遠い厚化粧をしたマダムが居ました。やっぱりマダムは凄いなぁと思いながら、斜めに停めてあったガラガラを通れるように通路に対して真っ直ぐにしたんですが、反対から来たお兄さんもすれ違えないので当然邪魔だったらしく、そのまま広い通路まで押して行ってしまいました。


それから30秒もせぬうちにその子ブタのマダムがイチゴを小脇に抱え、小走りに近寄って来て私の使っているガラガラを引っ張りながら、


ちょっとあんた、これ私のでしょ!


と周りにいた人全員が振り向くような音量で言って来ました。


違いますよ、あれじゃないんですか?


と子ブタのマダムが使っていただろうガラガラを指差してやると、


どうしてあんな所にあるのよ!


と睨みながら言われました。普通の人なら今頃、キャンプで子ブタの丸焼きを楽しんでいるところなんでしょうが、私は昔おばあちゃんに言われた、生きてれば辛い事が必ずあるけれど全部自分のためなのよ、辛い事を乗り越えて大人になるの。という短気だった私への温かい言葉を思い出していたので、怒りに震えながら、恐らく鬼のような形相をしながらもなんとか堪え、その場を後にしました。おばあちゃん、大人になったでしょと、今度報告に行こうとその時心に誓ったのでした。


それが2日前の出来事です。その時の怒りが100とすると、今は約120で、収まるどころか、ふつふつと膨らみ始めているのは、まだまだ心は子供だからだと思うし、考える事は無駄な時間だと思うので、子ブタのマダムの事は、本日を以って忘れようと思います。

 

怒りを吐き出したらなんだかお腹がすいたので、濃いめのお出汁のうどんをすすりながら眠りにつこうと思います。それでは。