立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

30代半ば、取り柄

30過ぎて早4年、ぼちぼち30代の折り返し地点に差し掛かろうとしているし、運動部だったのははるか昔、最後に全力疾走したことなんていつのことだったか記憶にすらないと言うのに、取り柄聞かれて思わず運動神経が結構ある、なんて言ってしまうのはいかがなものだろうか。確かに若い頃はそこそこやれた。私の学生時代唯一、本当に唯一誇れる事、それはサッカー推薦が来たことなのだが、それももう20年近く前の事にはなる。


例えば日々トレーニング続けて、さらにとうに体力の限界は超えていても、ゼーゼー言いながら次の電柱まで次の電柱までと己追い込むくらいストイックだったなら、例え老いたとしてもまだ運動神経について語る資格がある。すでに胸を張れるほど純粋無垢な中年にもなり、たっぷりとお腹にお肉を溜め込んだ男が、運動に自信アリなんて言葉を発している所を20代や10代が見ていたとしたら、ただの痛々しくかわいそうなお父さんである。


私くらいの年齢ともなると、取り柄や誇れるものを一つや二つくらいは持っているものなのだろうか。今までは運動神経で押し通せたが、今度からバーでかわいい女子が隣になった時には何を武器に戦えばいいのだろう。運動は前述した通り賞味期限切れで、お金もないし仕事で何かを成し遂げたこともない。優しさや愛なんて目に見えないものは宇宙に存在するとされるダークマターと一緒で容易に扱える武器ではない。無難に風邪をひかぬ丈夫な身体と言ったところで、お腹のお肉が説得力を著しく低下させていて、そもそもそんなことにときめく女子もいないだろうし無難でもないだろうし。


さてさてどうしたもんかと悩みに悩んで出た答えが歯であった。この歳で銀歯皆無の全部揃った歯は珍しいだろうと少しは自慢をしたくもなるのだが、どうだろうか。歯フェチもしくは歯女子、聞いたこともないし今後聞くこともなさそうで、歯に食いつく女子がいるとしてもそれはほとんど肉食獣の類ではなかろうか。そもそも食いつかれるより食いつく方が正しい歯の使い方であることは間違いないので、今夜も歯を磨いて布団に歯いるといたします。それで歯。