立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

腹痛

--これからご飯の人や甘酸っぱい恋のお話を聞きたい人、イチローのような美技を求める人はそもそも場所が違うし、そっとPC、スマホの電源を落として、河川敷に座ってセブンイレブンのコーヒーでも飲みながら、川の流れと時代の流れを感じていただければ幸いである。--


昼に食べたコンビニのつぶれた麵のそばとの相性が良くなかったのか、普段飲まない青汁を試しに飲んでみたのが悪かったのか、それとも腐る前に肉と血に変えなければという貧乏性からくる使命感と小腹が空いた欲求が後押しし、少し酸いかなと感じた野菜炒めを勢いで胃袋に放り込んでしまったのがいけなかったのか、外出先から家に帰る約10分の間に人生2度目のピンチを迎えた。


1度目は小学校の高学年の頃、町内のレクリエーションで行った先でサイクリングをしているときにそれは来た。施設で借りた自転車で見知らぬ土地をサイクリングするのは楽しかった。ついついスタンドバイミーよろしく少年の冒険心に火がつき、周りにはコンビニもお店も何もない自然溢れる少し離れた場所までウフウフと楽しく自転車を漕いでいたのだが、急にお腹がゴロッとしたなと思ってからが早かった。


見渡せる範囲に便所の類は見当たらず、頭には何度も野グソがよぎったが、幼いながらのプライドがそれを選択肢から遠ざけた。ただ漏らすことはもっとだめなのは言わずもがなで、漏れる、大丈夫、漏れる、大丈夫、漏れる漏れる、大丈夫、漏れる漏れる漏れる漏れると徐々に間隔が狭くなる波の中、一心不乱に15分、体感では4時間半、自転車を漕ぎに漕ぎ施設のトイレを意識朦朧顔面蒼白でお借りし、なんとかかんとか間に合った。


大ピンチを乗り切った達成感からひとつ大人になれた気がしたが、自信や誇りとしておくのにはあまりに格好が良くないために心の奥底にしまいこんでいた記憶が蘇った。


今回も予兆という予兆が特になく突然ゴロっときてから早かった。が、私も30過ぎの大人である。10分くらい屁でもないと、おならしながら圧迫感を少しずつ解放し、余裕で自転車漕いでいたのだが、秒単位でどんどんひどくなる腹痛と肛門への圧力が予感させていた。これは大変なことになる、間に合わなくなるぞ! と、ペダル漕ぐ力が無意識で強くなっていた。大通りも運良く信号にひっかからずに通ることができ、一安心しかけてはっとした。重い扉開けて自転車停めて鍵かけて、家の鍵でオートロックを開けてエレベータで5階まで…、これは間に合わなくなるぞ! とそのまま家を素通りし、近くの公園で冷や汗だらだら泣きそうになりながら、ほんとは少しだけ泣きながら公衆トイレをお借りしてなんとか間に合った。


大ピンチを迎えた時に人間の本質が見え隠れするもので、齢はとって経験値からナイスな判断ができることはあるが、基本はあの頃とほとんど変わってないなと感じた、うれしいような悲しいような恥ずかしいような心地の出来事であった。


最近は朝や夜の気温も下がり涼しくなってきました。皆様も冷えにはくれぐれもご注意ください。それでは。