立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

美容室でのジレンマ

iPhoneユーザーの私は昨晩のけたたましくなる緊急速報で2回飛び起きたのだが、よくよく見ると、片方が国土交通相でもう片方が京都市からのものであった。15分おいた寝入ったタイミングでわざわざ2回も鳴らさず1回にまとめろとか、夜中に聞くあの音の感じが怖い、選んだ奴誰だとかそんなことは言うつもりはない。直接私に関することではないにしても、人命に関することだし、そう遠く離れた場所でないならバンバン鳴らしてもらって結構である。


今日はいつにも増してぼーっとしているし、緊急速報配信する人達に甘えた一言を言わせて欲しい。各会社の上層部に、昨晩深夜に緊急速報2回流した旨を、だから部下が眠そうにしてても怒らないでねって、一言添えて伝えといてくれたらなとちょっとだけ思うのである。


台風が直撃する1日前、ビタビタと地面を叩く大粒の雨の中美容室へ行ってきた。珍しいと言えば失礼に当たるのだが、いつも貸切状態のそこは、その日は他にお客さんが居て、今回はいつも担当してくれるオーナーさんでなく、多分入店して間もない波瑠似のレディーに切ってもらうことになったのだが、散髪中、担当がだれでも基本的に私からは話さない。興味のない栗の饅頭の記事を食い入るように読みながら、目を合わせなければ切っているところを見る事もない。


このオーナーさん気を遣っていると言うよりは、無口なタイプだと思っていた。毎回切りに行く度、必要な事以外は話さないでいてくれる。だから、散髪は嫌いだが、少し離れているがこのお店の空気なら肌には合うし、髪の長さがピークを迎える度に足を運んでいる。


そして今回他の人を担当しているのを見て知ったのだが、オーナーさん、よく喋る人だった。台風の話からビットコインの話、イチゴ(15日)が上に乗るから22日はショートケーキの日だなんて洒落た記念日の話まで、お客を楽しませようとする姿は接客業の鑑である。だけど、私はほぼ喋ったことはないし、あなたのことはほとんど知らないし、強がりでなくむしろそれを望んではいたのだが。


なぜだろうか、盛り上がる隣2人と、会話が全くない私たちの構図が出来上がった時に、あれ? この感じ、担当の人と雑談した方がいいんだろうかとそういう感情がふつふつと芽生え始めた。


だが、どうだろう。ここでこのレディーに話しかけてしまうとオーナーに、女子には話しかける女ったらし野郎というレッテルを貼られてしまうのではないだろうか。かと言って話さなければこのレディーにつまらない客だと思われそうだし、あちらを立てればこちらが立たず、ジレンマに嘆きながらの結局一言も発さずの30分であった。しかし、美容師の洗髪はどうしてああも気持ちいいのだろうか。あれだけで金払う価値ありである。それでは。