立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

大人気ない大人と若い大人の会

飲み会では私の場合、ビールがあればそれでいい。たまに強いお酒をという時にはウイスキーがあれば文句はない。長くはないが、今までのお酒人生でたどり着いたのはそこだった。若い頃は、勢いに任せてウォッカテキーラをショットで飲んだりしたが、テキーラは時間をかけてチビチビ飲むのがいいんだよと、白髪混じりのダンディーなメキシコ人ハーフの紳士にそう教えられてからは、何だかとても子供な気がして居たたまれなくなった。


もしかするとそういう経験が大人への成長につながっているのかも知れない。その頃から飲み会で騒ぐようなノリはしなくなったし、甘いお酒もとんと飲まなくなった。夜が更けて朝が近づき始めると社員100人を背中に背負って疲れきった中小企業社長のようなオーラを出しながらギネスを飲んだりもした。人はお酒の席でこそ大人のステップを踏めるのかもしれない。


私は大人になれたのだろうか。大人の景色を見れているのだろうか。


つい最近、一回り以上歳が離れて結婚した友人夫妻と中華でご飯を食べる機会があった。友人は私より8つ上、その奥方は私より5つ下。別に珍しい年の差でもないとは思うが、やけにその会が新鮮だった。5つ下の女子となると、ピチピチしてるとか、動きがキビキビしているとか、若さによる違いはあるものの、何より気になったのがSNSリテラシーである。事あるごとに写真を撮ってインスタに上げる様を見ていると、こうまで文化や生きている場所が違うのかと、唸るように溜めた息を吐いてしまう。


私が言いたいのは、美味しい美味しい麻婆豆腐や小籠包はやはり熱々じゃないとダメだということ。インスタ用にとスマホ取り出して撮影が始まってかれこれ1分は経過したし、熱さが一秒毎に失われてんぞと強めに言いたいが、私は大人である。少々冷めたとて怒り狂うのも大人気ない。


お説教始めるにも乾杯の一杯を飲んだだけとあってはお酒の量が足りてない。旦那に任せておけばいいかと友人を見やるとおじさん、一緒になって写真撮影をお楽しみ中だった。心の中でズッコケ、突っ込んだのだが、こんな事で動揺しているようなら私もまだまだ子供である。