立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

コラム-流行りファッションに身を包む若者を見た

鍋のシメがうどんかおじやかラーメンか、楽しみ方は十人十色であるように三連休の楽しみ方も人それぞれだと思う。小学一年生のランドセルの中身と同様、三連休には夢や希望や勇気が詰まっている。家でDVD、漫画喫茶で漫画三昧、資格の勉強、洗濯機の横の隙間の取れないところに落ちていたお気にのパンツの救済など、どのように時間を使おうがおおいに結構なのだが、休日の過ごし方として他とは一線を画し圧倒的上位に常にランクインするのが「デート」である。それも恋が実る前の初々しいデートほど甘くたまにはしょっぱいとろける時間、すなわちハッピーターンは他にはなかなかない。


連休真ん中の日曜日、ヨドバシカメラで用を済ませて、20分ほどかけて歩いて帰ったわけだが、私たちの数メートル先を二組のカップルが縦になって歩いていた。帰り道の方向が京都水族館と同じ方向だからそんなこともあるのだが、この二組のカップルを後ろから眺めているだけで、まだまだ咲かない桜が咲いて空気が桜色に色づいたように感じる初々しさがあった。手をつなぐなんてまだまだ先かそれともすぐそこか、付かず離れずのいい距離感がそれぞれの男女間の狭まりきっていない、互いの心の距離を見ているようだった。


ファッションには流行りがある。もしもデートすることになったなら、あるがままの自分を見せるとジャージにTシャツでデートに挑む猛者の話は一旦置いておくとして、可能な限りは小綺麗な格好をしたいもの。常日頃から頭の先から足のつま先までオシャレを意識しているならここでのつまずきはないだろうが、多くの人はここでつまずくのも事実。そうなると頼るものは雑誌かネットの情報である。


私は普段雑誌もネットの情報も見ないし、ファッションには疎い。だが、今年のコーディネートの流行りは、男子はブラウンのコートに濃い色のパンツで清潔感のある短髪、女子はグレーのコートに同じく濃い色のパンツでボブでフワッとであることくらい知っている。我々の前数メートルを歩く2組のカップルが全く同じ格好をしていたんだからまず間違いはない。


初めは友達同士のダブルデートかと思ったが、違う方向に歩いて行ったのでそうでもないようだし、なかなか全身あそこまでは合うことはない。さらに、我が家の前で出会った別のカップルもグレーとブラウン、短髪とボブという格好をしていたとなっては疑う余地無し。


心のどこかで流行りモノが正解の風潮にすぐに飲まれる若者の甘さに鼻で笑いかけたが、人のふり見て我がふり直せという諺がある通り、私達夫婦もほとんど同じようなコーディネートをしていました。どこからか春の足音が聞こえる気がした連休2日目の朝でした。それでは。