立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

コラム-日々の成長に困っている

気づけば髪が伸びヒゲが伸び爪が伸び、年老いてもなお、日々の成長を感じられるものである。


1年以上前にこしらえ、ろくに座らないまま食器棚と化した、窓に面して配置してあるリビングのカウンターテーブルの上を、たまには片付け、夕食を作る合間に腰掛けて見れば、思ったよりも夕日が綺麗に見えたので、薄めにコーヒーを淹れて読書をしてみた。


当たり前に過ぎ行く時間も、ただの1秒も無駄ではない、この世に無駄なものは何一つとしてないと、まるで空海か釈迦かキリストか、何かを悟ったどこぞの偉人なる風情を醸し出してみたものの、詰まる所鼻毛が出ていては全てにおいて説得力を失うというもの。


出ていたら笑われ間抜けと言われかねない、鼻毛にも役割はある。空気中のチリやホコリを体内に取り込む前にシャットアウトし、虫の進入も防いでくれる鼻毛は健康を保つため一役も二役も担っていることを私は知っている。誰にも注目されないのは、切っても痛みを伴わないから簡単に切り離せるからだろうか。無ければ無いで気にも留められないのは悲しい運命を背負ってしまったからなのか。


決して存在自体が無駄なことはない。ないのではあるが、必要以上に伸び過ぎることがある。上を向いた時に覗き込まれない限り見えないくらいの所で丁度よく成長が止まってくれればいいのに、野茂英雄のストレートの如く手に負えない程の伸び、どれだけ当たられてもピクリともしない、ヤンカーの如く強くて太い存在感を示してそこにいることがある。


そんなに伸びなくても大丈夫という宿主の願いに近しい助言を無視し伸び続けるこいつらを皆さんはどう処理しているのか。私の場合、奥さんの眉毛を整える時に使う小指ほどの長さの小さなハサミを内緒で拝借し、何度も鏡で確認しながら出来るだけ短く切るのだが、根本的な解決には至らない事は明らか。だからと言って力任せに抜くのは、ただ痛い。涙とくしゃみとその後数分間は違和感を共にしなければならないし、一本ならまだしも、周辺の数本の処理を考えれば、あまりにリスクが大きい。鼻毛カッターとの意見も確かにあるが、私だけかも知れないが、あれはあれで何故かほぼ100%で大物を取り逃がす。


やはりこまめにハサミで整えるのが無難な線なのだろうが、鼻毛処理の方法に悩むこの時間こそ本当に無駄な気がしてならない。