立ち聞きweblog

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コラム-ブラックバスも人間もプレッシャーには弱い

暇さえあれば釣りに出かけていたことが私にもあった。釣りキチ三平は全巻何度も読み込んだし、おじいさんが亡くなるシーンでは涙が止まらなかった。成人したくらいからは釣りに関する趣味はとんと無くなったが、それでも運動不足にカテゴライズされてしまっているこの頃は、趣味として始めるのもいいかもしれないと思っている。


もし本当に始めるなら鮎やイワナのような食べられる川魚やおいしい海の魚に狙いを定めたいものだが、たまにはブラックバスのようなスポーツフィッシングも悪くない。


キャッチアンドリリースが定着していたことも今は昔、琵琶湖では外来種が在来種を絶滅させると、かねてから問題視されているし、バスを釣った後に捨てるゴミ箱さえも用意されている。


生き物を大切にと教えられてきた心優しき人には、難しい選択を強いられるゴミ箱ではあると思うが、バスはとにかく獰猛で動く者を手当たり次第に食べてしまう、琵琶湖に住む魚の中で恐ろしいやつなのだ。このゴミ箱は圧倒的強者の排除によって弱者を守らんとする人々の、愛のように思えてならない。強い者には強く、弱い者には優しく、琵琶湖を守ろうとする方々は日本人の誇りのような心をきっと持っているのだと思う。


だからと言って、琵琶湖の生態系同様、外国にめっぽう弱い日本のトップも少しは見習って欲しいものだねと、伸びかけたヒゲをジャリジャリ触りながらウイスキーを飲みつつ、政治を揶揄するつもりは今回は毛頭ない。


言いたいことを完全に見失ったふらふら運転をしている自覚はあるので話を戻すが、それほどまでに獰猛なバスも、琵琶湖の釣りポイントと言われる場所のほとんどでは、すっかり警戒心を持ってしまい、ルアーにはまるで反応しないという。俗にいうハイプレッシャーというやつである。


考えもなく動く物を飲み込んでいると思われたバスでさえも、プレッシャーを掛けられると殻にこもったり逃げ出す性質を持っているのだから、頭で考える以外に武器の無い人間にとってもプレッシャーは猛毒である。


先日、会社に雇用の応募をしてきた40過ぎの方がいた。専門職として期待するなと言う方が無理なほどの資格を持っており、人手がまるで足りて無いこの会社にとって、喉から手が出るほどの人材であった。役員との面談も和気藹々と終わり、会社としても採用の意を伝えたのだが、数日後断りの連絡が入ったようだ。理由を聞くと、会社からの期待に応えられる気がしない、プレッシャーに耐えられないとのこと。


いろんな人がいる。特に採用試験なんかでは、期待されることはありがたく、嬉しいことなのが普通だと思っていたが、期待がプレッシャーとなるのもよく分かる。だけども入社前からそれに耐えられないとなると、それは自己評価が余りに低い。40オーバーで採用してくれる会社を探す方が難しいと思うのだが、いやはやいろんな人がいるもんだ。