立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

コラム-大盛りを頼まなくなった三十半ば。カツカレーもらおうか

胃袋に詰め込めるだけ詰め込んでおけば満足できる時代は、とうの昔に過ぎ去った。つけ麺屋で値段が同じということで頼んだ大盛りの麺の量がラグビーボールくらいのボリュームだったからと言って、笑ってチャレンジできることもこの先はもう無いかもしれない。量よりも味、量よりも居心地とご飯屋さんを探すようになった30半ばの今でもボリュームたっぷりの昼食を食べたい日もたまにはある。


そんな時に必ず候補に入れたいメニューがカツカレーである。揚げたてサクサクの衣に染み込むカレーと一緒にご飯を掻き込む。カレーの香辛料と揚げたパン粉の香ばしい香りに食感、舌の上で溶ける脂身と噛むと口の中で広がる旨味が浸み出す豚は、むしろお腹の減っていない時でも食べたくなるほど魅力に溢れる。


500円で丼もうどんも焼きめしも食べられる近所の古い食堂の、カレーも同じく500円。カツカレーはと言うと50円増しの550円。カレーに50円増せば食べられるカツカレーは日本中探してもそう簡単に見つからない。


250円から300円増しであっても不思議ではないカツのトッピングがたった50円なのは、店に貼られた10年以上もそのままかと思えるほど古びたメニューからも、店主のただのミステイクではないと想像するに容易い。先代あるいは先々代から強く言われているのか、あるいは感謝の気持ちを込めたサービス品があった方が集客に良いからと、スタッフとのミーティングに次ぐミーティングで、決められた価格設定なのだろうか。


いずれにしても、特にこれが食べたいという物はなく、空腹を満たす為だけに店に来たとあってはカツカレーを注文しない理由はない。空腹にカツカレー、加えて値段もマックのセット並み。満足しないわけはない。良き日曜になりそうだと前のめりに頼んだのはいいけれど、ポロシャツのポケットにすっぽりと入るほどカツが小さく、肉が衣よりも薄く、まるでお菓子のビックカツのようであった。