立ち聞きweblog

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雑記-京都にて強面外国人のお花見

マラドーナガットゥーゾを足して2で割り、そこにシメオネを足してまた2で割ったような、タンクトップにハーフパンツの、白髪混じりの毛量が多くヒゲのもっさりとしたベロン似の外国人とすれ違ったのは暑い日が2日続いた後のコートを着るかどうか悩む、風が冷たい日の夕方だった。


顔は南米系だがもしかしたらフィンランドの北の方の地域出身なのかもしれない。だとしたらこの強面外国人にとってここ2日間は故郷では経験できないような暑さだっただろう。


京都の桜はとても綺麗だから一度は見ておかないと。きっと、強面からは想像できぬ、お花を愛する優しい一面が今回の京都の旅へと彼を揺り動かしたのだ。


ソメイヨシノにヤエザクラ、シダレザクラにオムロザクラ…京都で見られる桜の種類を空で言えるくらい、きっと飛行機の中では花の図鑑を食い入るように読み漁ったに違いない。


「日本」「春」「気温」と出発前にネットで調べると、なるほど、過ごしやすいと言えど春はまだまだ寒い日が続く、か。なら我が故郷フィンランドよりも少し暖かいくらいだろうか。オッケー、グーグルとパソコンを閉じ、少し厚手のアウターをカバンに入れ、長袖中心の服装を準備したに違いない。寝巻き用にハーフパンツを入れておいたのが不幸中の幸いと言えるだろうか。


オーマイゴッドと言ったかどうかは分からない。ホーリーシットと呟いたかどうかも分からない。だが、2日続いた夏日は彼にとったら災難に近いものだったのではないだろうか。ならば3日目はできる限りの薄着で、いらない荷物はホテルに置いてと、彼なりの準備はしたはずだ。だけどもその予想がハズレてやや寒い1日となってしまったのは、何とも言いがたく、切ない。


誰かが悪いわけではない。ただただ運が悪かった。そういうお話である。もしも彼がフィンランド人だとしたなら、ではあるが。


それでは。