難しいわけじゃない女子
ヨシタケ
来週誕生日だね、フミコちゃん、おめでとう。
フミコ
はあ、ありがとう、ヨシタケくん。
ヨシタケ
どうしたの浮かない顔して。ははん、さては彼氏のミツオとうまくいってないんだろ。
フミコ
そんなことはないんだけど…。
ヨシタケ
じゃあどうしてため息なんてつくんだい。
フミコ
ヨシタケくんも知ってる通り、ミツオは日本で10本の指に入る大金持ち。だから、誕生日やクリスマス、2人の付き合った記念日にはブランド物のバッグや指輪、洋服やアクセサリーとか、私から言わなくても何でも買ってくれるの。
ヨシタケ
それの何が不満なの?
フミコ
その度に物はもういらないって言うんだけど、それでも彼は物で私に愛を伝えようとしてくるの。それはきっと間違えた行動だと私は思う。もしもこの先彼と一緒になろうとした時、この考えの違いはすれ違う原因になり得ると思うの。来週の誕生日でまた私に何か買ってくるようなら、私たちのことを考えなければいけないと思ってたところなの。
ヨシタケ
(友人としてミツオに忠告しとかねば)
ーーそれから誕生日が過ぎ…
ヨシタケ
やあフミコちゃん、ミツオとはどうだい。
フミコ
ヨシタケくん、ミツオとは別れたわよ。
ヨシタケ
またブランド品でも買って来たのかい。
フミコ
違うわ。今回のプレゼントは物じゃなかったの。
ヨシタケ
なら良かったじゃないか。どうして別れたんだい。
フミコ
誕生日の日に、超高級のレストランで、私へのプレゼントだって自作のラブソングを歌い始めたの。恥ずかしくて仕方なかったわよ 笑
おしまい。