立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記-久しぶりに会う友人とお酒を飲み交わした日記

家のパソコンをウインドウズからマックに変えたあの日、まるで違う使い勝手に、いつか使いこなせる日が来るのかという不安があった。ハンバーガーなら何個食べられたか分からないほど安くはない買い物だ、マックだけに。大袈裟に言うと生きていくために絶対的に必要なものではなく、慣れ親しんだウインドウズのマシーンを買っていたなら、マックに買い換えたがための苦労や慣れるまでの時間が無駄だったと言えば無駄だったのかもしれない。だが、新しいものに触れていることに対して昂り楽しむ気持ちも確かにあった。ガラケーからiPhoneに変えた時もそうだったように、一筋縄ではいかないものに対して絡んだ糸が少しずつほつれていくような感覚が好きだった。


4年ほど前、飲み屋でフランス人と知り合った。お酒とエロは国境を超えると言うが、ビールとお互いほとんど行ったことがないキャバクラの話でとことんまで盛り上がったその日から、気の置けない仲間の1人となった。日本語がいつまでたっても上達しないラモスよりも堪能で、絵の具を溶かしたようなブルーの瞳にジョージクルーニーのような甘くセクシーなマスク。年齢の割に薄くなった頭を自虐で笑いに変えるナイスガイをだれが憎めるだろうか。


そのフランス人が日本を離れてから3年が経った。昨日のことだが突然彼が例の飲み屋に現れた。


「サプライズです」


彼の愛くるしい笑顔は当時のまま、さらに薄くなった頭が眩しかった。なんてナイスなサプライズだろうか。間違いなく今年一番の衝撃だった。いろんなことが変わったのに何も変わらぬように感じ、あの時を懐かしく思いながら飲み始めたが、日本を出た後、オーストラリアに3年いただけあってビックリするほど日本語が下手になっていた。


気づけば英語で話し出す彼に、こちらの言いたいことを伝えるのに一筋縄ではいかない、難解なものを感じたが、心地良さはあった。好きな相手に想いを伝えることがこんなに楽しいものかと沸き立つ気持ちは35年生きてはじめての感覚だったかもしれない。