立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記-ビショビショの外国人カップルとバスを待つ

大雨でスマホの緊急速報が鳴りやまぬ中、私はバスを待っていた。3番3番…頭の中で乗るべきバスの番号を繰り返しながら、5分おきに来るはずのバスを待っていた。そこは乗り降りする人が少ない小さなバス停である。先日この近所に越して来てこれが初めてのバス通勤だ。


この停留所は屋根がない。繁華街、駅から徒歩5分だというのに歩道にポツンと置かれて、もしかしたらバスの運ちゃんも見落とすんじゃなかろうかと不安になるほど存在感がない。バス停の看板の置かれた場所がどんどん浸水してくるのを眺めながらこのままバスが来なかったらどうしようか、歩いて行くには遠すぎるしタクシーを使うほど稼げているわけではないし、この先タクシーを使って仕事に行くことはあるのだろうか。多分ないだろうなあ。根っからの貧乏性、その日の稼ぎとタクシーに支払う金額を見比べてしまうようなケチにはその機会はないだろう。それに遊びに金は使えど仕事にお金を割く趣味はない。


そんなことをうすぼんやり考えていたなら向こうからカッパ着た外国人カップルが歩いて来て同じバス停で立ち止まった。時刻表とスマホを見比べ右往左往する外国人カップル。行き先と乗るべきバスが一致しないのだろう。


わかる、わかるよ。初めは私もそうだった。慣れない地で何本も走るバスの中から目的地行きの一本を探すのは簡単ではない。現に今、初めて乗るバスに私も不安になっている。住み慣れた京都でバスも何度も乗っていてもこれだから、異国の地で同じことをする君たちはすごいと思う。それにしても観光で京都を訪れ年に何度もないほどのこの大雨とはついてないね。


心の中で彼らを励ましながら、私も緊張しながら3番のバスを待っていたが、先ほどからこのカップルが私の様子を伺っているのが、見ずとも周辺視野でわかった。鼓動が大きく早くなる。英語はわからんし、どのバスがどこに行くのかは同じくらいわからない。私に聞かないでお願いだから。願い虚しくこちらに向かって来るビショビショのカップルが傘越しに確認できた。不安は広がるばかりである。