雑記-暮れなずむ9月2日の日曜日
まだまだ予断を許さぬ暑さは続いているものの、35度を超える日は週間予報では見当たらず、峠をようやく超えたようだ。多分もう夏の終わりである。
夏が終われば次はあっという間に冬で、今年の秋は短かったなどと毎年同じような愁う話をしていたらすぐに年末、年が明けるのだ。今年もよろしくなんて何年かに一度も会わぬ友人に、だけども年始の挨拶だけをメールでパパっと済ませていたなら気付けば四月、新年度の始まりと思えばすぐに平成が終わる。で、何だかんだまた夏、秋、冬、春と繰り返していく。
来年は冷夏だったらいいなぁと不謹慎とも取られかねないことを、ボスの缶コーヒー片手に近所の公園のベンチで物憂げに、風に揺らぐ木々の葉を眺めていたら声を掛けられた。
暑いなあ。
目の端に犬のリードを持った上品そうなおば様を捉えた。え、嘘でしょ、何で話しかけてくるのよと困惑しながらも、これも近所付き合いの一環か、と思いながら答えた。
ええ、まだまだ暑いですね。
せやけども、だいぶんとマシにはなってきたねえ。
ええ、多少はマシですかね。
うちの子(犬のこと)は暑くても寒くても雨降りでも気にせんと時間になると散歩行こうって吠えはんねん 笑
そんなもんなんですかね、犬はね…
最近、日が傾いてくると蚊が多くてかなんわ。
ああ…そうですか…
(いつまで続くのか、どうして名も知らぬ他人にこうまで馴れ馴れしいのだろう。しかも話題に詰まって変な間とかできてるし。無理に話そうとしなくていいのに。どうしようかな、帰ろうかな、でも今ベンチ立つと気分悪いだろうしなあ。もう、あっち行ってくれないかなあ…)
いつもおおきに。ほな、また寄ってってや。よろしく。
え、ええ、また。
どうやら誰かと間違えていたようである。結構長い間話していたが、一体誰と間違えたのか、途中で気付かなかったのだろうか。返答したことで相手に恥をかかせたのではないだろうか。かと言って無視するのもなあ。出ない答えに頭を悩ませ、今度会った時にはあるいは自分から話しかけてみるのもと、できもしないことを考えていたら、日曜日の日が暮れなずんだので、これにておしまい。