立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記-クリスマス、年賀状、ウスター

きらめく街の中で一人取り残された気がしてならないのは、仏教徒だからとかサンタクロースの格好で街を歩くコスプレした人たちを冷めた目でみるとか、アンチぶる自分を創り上げることによることで気持ちよくなりたかったからでなく、出来上がった年賀状にウスターソースを飛ばしたからである。

 


それがフライドチキンなら恐らくこんな事故は起きず、それがケーキでもそうだ。クリスマスの昼間から油っこいだけのハムカツをおやつに休日を堪能していたのがイエスの癇に障ったのか、なぜに私に試練を与えるのか。

 


プリンターから一枚一枚産み落とされる年賀状は思ったよりもずっと綺麗で、最近のエプソンはなかなかやるなと唸っていた。色ムラやかすれがないどころか、きめ細やかな部分までしっかりと色が載っている。画像が綺麗になるのはテレビやスマホだけではなく、ペーパーレスを推奨される時代に逆行するかのようにプリンターもであるのは喜ばしいこと…なのだろう。

 


出来上がった年賀状が汚れぬよう、カウンターテーブルの奥に並べ、1.5メートルは離れたテーブルでハムカツを食べていた。ハムカツにはウスターソースだろう。安くて油っこくて、だけど厚みのあるハムカツにはウスターソースだろう。

 

 

久しく使っていなかったウスターの蓋が開かず、少し力をこめたなら、勢いよく開いてソースが飛び、あとはそういうことである。そのうちの一滴。たったの一滴がきれいな青のグラデーションの上に乗った。オレが太陽だと言わんばかりに鈍い茶色が存在感を放っている。急いでにじまぬようにそっとティッシュで吸い取った。

 


年賀状が足りないわけではないし、印刷すれば済むだけ。ウスターソースでないにしろ、醤油やコーヒーを大事な書類にこぼしてあたふたしたという経験がある人もきっと少なくはない。よくある話だが、クリスマス、年賀状、ウスターソースの組み合わせで試練が天から降りてきた人の数は圧倒的に少数だろう。

 


それも汚した年賀状は宛名を空けた予備の何枚かでなく、キッチリ会社関係の人に出すやつと。去年はプリンター、その前は年賀状の売り切れ。年賀状に関する不幸が毎年必ず訪れるから、だから私は年賀状が嫌いなのだ。