立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

海外からの挑戦

カルチャーが学びたくて、建築に興味があって、アニメが好きで、どうして日本に来たのか聞くといろんな答えが返ってくるとは思うのだが、歳は20歳前後くらいに見える金髪の若い外国人の男子が焼き鳥屋で働いていた。(ここでは仮にスティーブンとしよう)ラッシャイマセ、もしやバイトどころか日本に来て3日経ってないんじゃないだろうかと疑ってしまう、スティーブンのたどたどしい日本語に大丈夫かなと不安になると同時に、どこかで羨ましさや応援したい気持ちにもなった。異国の地で、しかも言語がほとんどできないのにバイト、しかもそれが酔っ払いのいる焼き鳥屋である。普通なら選ばないとは思うが、図太いというか怖いもの知らずというか、その度胸はぜひ見習いたい、見習わなくてはならないと思う部分であり、雇った大将もきっと器の大きな人間なんだろう。


テーブル席に着きおしぼりをもらって生ビール二つを注文すると、1分もせずにキンキンに冷えたビールを持って来て、チュウモンハ、オキマリマシタデショウカ。微笑ましく思いながら、私たちが注文したのは、ネギま、み、皮、つくね、むねをそれぞれ2本づつ、鳥のたたきの小を1つであった。しばらくしてたたきがまず届いたのだが、大きさが半端じゃないのである。ボリュームを売りにするようなお店もあるが、このお店はきっと違うはず。ポッキーの箱ほどはあろうかというたたきであったし、さすがに黙っておくのも気が引けるということで、他の店員に聞いてみると、申し訳有りません、と最初の3分の1ほどのたたきがやってきた。ほっと胸を撫で下ろし、ようやくいただきますである。次に持って来たのはみであったが、スティーブンが机に置く時にツクネデスと言いながら、3本置いて行った。つくねではないし3本だし、あまりに間違ってはいるのだが、日本語がほとんどできないスティーブンがやったことだからと、それでもにこやかであったし、応援をしたいという気持ちに揺るぎはない。スイマセンデシタとみを2本をもって来て解決したのに、忘れた頃にまた、みを2本持って来てしまうスティーブンをもはや愛することでしか接することができなくなってしまった。


お腹いっぱいでお会計をしたら二人で約5000円。これが合っているのか違っているのかは、わからないけど、どうせなら2000円くらいの会計でズッコケさせてくれとも思わなくもない陽気な夜であった。久しぶりに面白かったし、スティーブンが日本(2本)でうまく暮らせるようにだれか見本(3本)をお願いしますと心で願いながら今夜も夜空にお休みなさいするとします。それでは。