立ち聞きweblog

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雑記-飲みのシメラーメンで思わぬ羞恥

いくら美味しいスコーンだったとしても炎天下の中ではその価値は半減する。不味いラーメンでもサラッとした雪が降り止まぬ真冬ならばその評価は夏のそれよりは上がるだろう。どんな環境でご飯を食べるかで相対的に評価が変わる。味は変わらぬとも満足度がまるで変わるものだが、深いお酒を飲んだ日のシメラーメンはどうしてあんなにも美味しいのだろうか。


よく食べた後のシメならあっさりとした中華そばを。お腹が空いていたなら鳥のスープが濃厚なラーメンを。1人でしっぽりと行きたいなら席が区切られている一蘭でもいいし、たまには、どこにでもあるしいつでも行けるからと敬遠しがちな天一もいい。京都に住み始めてもうすぐ5年。その時の状況によって選びたいジャンルをほぼ漏れなく網羅できたと言ってもいいかもしれない。


先日も久しぶりに深夜遅くまで飲んだ後、お腹が減ったということでラーメンを食べに行った。その日は鳥の濃厚なスープがウリの飲屋街にあるラーメン屋。一口目、酔ってバカになっている舌でも美味いと判断できる熱い鳥の濃厚スープがアルコールの吸収で忙しかった胃袋に染み渡る。麺は中太縮れ麺。程よい歯ごたえを楽しみながら絡んだスープと飲み込むたびにアルコールでボンヤリしていた脳を刺激する。濃厚過ぎず、だけども確かな存在感の鳥チャーシューを一口噛みちぎって二、三回噛んでゴロンとした食感が残ったままごくんと飲み込む。喉を通る感覚が心地よい。また鳥チャーシュー、今度は残った分を同じように飲み込んだ時に、思いっきりむせて鼻からスープが出た。店や他のお客へ迷惑はかけていない。だけども確かに若い男子と目があったし、後ろに座るバカップルが笑っていた気がするしで恥ずかしさが美味しいという感覚を置き去りにし酔いを果てしなく遠いものにし、後半まるで味が全く分からなくなった。


不思議なもんである。あれだけうまいうまいと啜っていたのに5秒後には味覚を失うのだから、ご飯はやはり楽しく食べるべきである。