立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

否定と価値

A:〇〇ってバンドよくない?
B:そうか? ドラム下手くそだろ
A:〇〇って映画めちゃくちゃ面白かったよ
B:お前あんなのが好きなの? 俺はないね
A:あそこのラーメン好きだわ
B:全然うまくないわ
A:…

以前にうどん屋で隣になった大学生くらいの若い男子の会話である。多くの人がもしかしたら経験があるかもしれないし、そういう私も身に覚えがないわけではない。世間が良しとするものをことごとく否定していきたくなる症候群である。その道をとことん突き詰めている、プロがいうのであればわかるのだが、素人も素人、年端もいかないど素人が俺はわかっている部類の人間であると、自分は人とは違う、もっとビッグなんだと言いたがる症候群である。


強気、見栄、他とは違う、男子Bの心を探るとそんなメモがあちこちに張り巡らされているだろう。確かにその通り、時には強気で時には激しく、ベッドの中では底抜けの優しさを見せても、一歩外へ出たなら、すれ違う人が皆道をあけるような肩で風を切って歩く事もたまになら悪くはないだろう。それで自分の中で自分を肯定しようとしているのもわかってる。


いいんだよ、いいんですよ、私には関係ないし、こちらから隠れて見えない男子Aがどんな顔してるのかも私には関係ない。ただなんとなく私は、いつもよりうどんが美味しく食べれなかったし、美味しいはずのお出汁がやや薄めに感じたし、聞いていて面白くはなかったことだけ、どこかで伝わればなと思っただけである。


ただこれだけは言わせてくれないか。金欠だから金貸してって、男子Bよ、たった600円が払えないのなら、人の否定する前にバイトでもしなさいよと、お店来るんじゃないよと、隣の席からツッコミにも似た意見をぶつけそうになった休日の昼下がりでした。なんだか昔の自分もこんなもんだった気がするので、今夜はお月様に祈りを捧げて眠るとします。それでは。