立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記-ロックストックとスナッチ2本まとめて

全身を黒のスーツでビシッと決めて肩まであるサラサラの金髪をなびかせた細身でスタイルの良い長身男性が、タクシーから降りた。片手をポケットに突っ込んだまま怠そうに手を振り、華やかな衣服に身を包んだ女性を見送る姿は水商売のそれであると確認せずともわかる。


「今日はありがと。蓮くん素敵だった。」


「いつもありがとうな、ユミ。お前が居てくれるからおれもずっとナンバーワンでいれるんだ。またお店で待ってる。おやすみ。」


見ているだけで酒とタバコの匂いが漂ってきそうな会話が聴こえてくるようである。金で繋がる愛のストーリーが進む半径2メートルのその空間だけ別の世界のようだ。そのすぐ側で、紺のスーツに身を包み、とれたてのレモンを擬人化したような、初夏の太陽より眩しい新入社員と思われる女性が、外れた自転車のチェーンを直すのに懸命だ。そしてそのさらにすぐ側を鬼の形相で自転車を漕ぐのが私である。


そう、今は小鳥のさえずりが聞こえる、気持ちの良い朝。


朝から週末のネオン街で見るような粘度高めのドロっとした光景をオフィス街で見せられたから鬼の形相になったわけではなく、たんに寝坊したからなのだが、私に寝坊をさせたのは、はっきり行って好きな映画一本である。


昨晩、嫁が11時に寝室に入ったので、眠くなるまでの時間に、最近購入した映画を見始めた。その映画とは、「ロックストック&トゥースモーキングバレルズ」である。友人に絶対に面白いから見てみなと言われて見たのが初めてで、それから3度は見たかも知れない。流れるようなテンポと、それでいてしっかりとしたストーリー性がありカッコいい演出のその映画の虜になるのに時間は必要なかった。


好きな映画だし、DVDは欲しいと思っていた。だが、4000円ほどのお金をポンポン出せるほどの余裕はない。いつか中古で安くと思っていたら、同映画の監督ガイ・リッチーの別の名作「スナッチ」と共にセットで1100円(新品の送料込み)で楽天で売られていた。迷う意味などない。逆に恐ろしくすらあるその値段を眺めつつ、太っ腹の楽天さんに心で手を合わせてボタンをポチっとして、その2日後には我が家のポストにイン。で、昨日の晩はキリのいいところまで見ようと再生したが、うっかり最後まで見てしまい、しっかりと寝坊した。


特にこれと言って言いたいことがあったわけではないが、それほど面白い映画であると解釈していただければ幸いですし、ゲームか本気かわからぬ恋愛を楽しむ2人にはそれはそれで幸せになって欲しいし、よりによってそんな場所でチェーンが外れてしまったあの子が実は1番ついてないんじゃないかと思った木曜朝でした。おしまい。