立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

悪しが良しに、良しが悪しにあることもある

小学校でサッカー教室に通っていた頃、鬼軍曹がいた。私の人生で初めての鬼軍曹である。上背はそこまでないが、角刈りでガッシリとした体つき。前歯の一部分が金色で金のネックレスに金縁メガネと、金のアイテム三点セットがトレードマークである。


トレードマークの一つ、金縁メガネを外しながら汗を拭う仕草が、さあこれから怒鳴り散らしまっせのサインで、瞬間湯沸器大会があれば上位入賞が期待できるだろうし、ラモスやファーガソンにも負けるとも劣らない闘志むき出し激情タイプの鬼軍曹コーチであった。小学生相手への本気のタックルは今でも正しいのかどうかは首をひねるところで、このコーチが走った後には数人の子供達が転がっているのを見るのは珍しい光景ではなかった。


幼かった私には恐怖でしかなかったが、サッカーに対してとにかく一生懸命なだけだと知っていたので、嫌いというわけではなかった。来なけりゃいいのに、早く帰ってくれ、怪我しろやを繰り返し繰り返し心の中でずっと神に訴えてはいたが。サッカー教室へ向かう道すがら、友人の一人が恐怖のあまり道端のお地蔵さんに、小学生にしては大金の100円をお供えして、どうか今日は来ませんようにと手を合わせるほどである。


このコーチからしつこいくらいに言われてきた事が、脚を冷やすな、であった。特に試合会場への行き帰りにはとにかく敏感で、季節関係なく脚を覆い隠す長いジャージを履いてないと、所構わず唾が飛んでくるほど怒鳴られたものである。


殊の外思い出話が長くなったし、大きく道を逸れそうなのでここから本題に。当時は運動後は、多分、硬くなった筋肉をほぐすという意味合いで温めろと言われてきたし、それで良しとされていたが、最近の野球選手やサッカー選手の試合後を見ればわかるのだが、今は逆に冷やす方が良しとされている。真逆である。体にいいとされている事がほんとは良くない、なんてことはもしかすると今でもそこらじゅうに存在してるのではないだろうか。


中でも私が怪しいと今睨んでいるのが、大の大人が悲鳴をあげて両手を挙げる激痛でお馴染みの足裏マッサージである。体の悪い部分が足の裏で判断できるというのは百歩譲ってまだわかるということにして、しかし、足の裏を痛みに耐えながらグイグイやると体の悪い部分が治っていくというのは、果たしてどうだろうか。痛い部分を押せば押すほど体が良くなることがあるのだろうか。


迷信の類では? 足裏マッサージ好きの知り合いに足裏マッサージについて聞かされているときに、口から出かけて止めた。私はむしろ逆だと思っているのだが、それでも痛みに耐えて解放された先に健康や癒えが待っていると思えば、本当の効果はこの際関係ないのかも知れない。つらいことからの解放感に人は魅せられているだけのように思えてならないのだが。


ここ数日、夏の疲れが出てるのか、眠くて眠くてご飯を食べるのすらもつらいので、このつらさから解放されるため、本日は早めにふかふかのお布団で眠ろうと思います。それでは。