立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

目にシミル

片手で軽く押すだけで、もつれて後ろ向きに倒れそうなほどに精神的にも肉体的にも追い詰められていた日々にようやく終わりを迎え、休日前のゆっくりした夜に本屋へ行って先月から買えてなかった漫画の新刊二冊を買い、家へ帰った。体が欲しているのは楽しい酒の席ではなく、リラックスできる我が家のリビングである。


寝室で着替え中に電気自転車のバッテリーに左足の人は差せない人差し指を思いっきりぶつけ、2分ほどベッドで悶絶した後、久しぶりにコーヒー豆を挽き、少量のお湯を慎重に注いで30秒ほど蒸らしてる隙にぶつけた指を見ると少し切れて血が滲んでいたので、少し落ち込んだが、それでもゆったりとした時間が落ち着かせてくれ、それと共に残りのお湯をゆっくり回し入れた。


自分で入れるコーヒーはインスタントや缶コーヒーよりも手間はかかるし、入れた後の豆とかフィルターとかゴミや洗い物が増えるのではあるが、その手間やゴミの分だけ、より美味しいコーヒーが飲めるし、それだけの価値があるかないか判断するのは人それぞれではあるが、私にはその手間をかける価値があると思う。


省けない手間があることで、豆の挽き具合や蒸らし加減などその時の気分で変えてみることができるのもハンドドリップのいいところでもある。酸味を強めたり苦味を強めたり、好みや気分に合わせることができるのは、セブンイレブンや喫茶店でいただくコーヒーとはまた違った楽しみができる。


この時も丁寧にドリップして、漫画を楽しみにリビングのソファーに座り、さあ、一口目を飲もうとしたその時、手が滑って見事にマグカップをひっくり返し、9割はテーブルに、残り1割は嫁のお気にのラグが吸い込んだ。こんな時に限ってティッシュが空で、あわててキッチンから布巾を取ってきて拭き取ったが、どう誤魔化そうとしてもしっかりシミになっているし、豆も最後の一杯分だったし。


ほんのささやかな潤いで心は満たされるはずなのに、ささやかでさえも手に入らない休日前の夜。嫁にシミが未だにバレていないのがせめてもの救いだろうか。明日からの週明けに向けて本日は心にシミるドラマでも見ながら眠るとします。それでは。