立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

雑記・小説-雨の日

引っ越して一週間、片付けを嫁さんに任せっきりなのを、なるべく気づかれぬように気持ち頭を低くして目を合わせぬようにしてきたが、ようやく落ち着いてきた。かと思えば今度は雨のマークが一週間の区切りの日曜突き抜け次の月曜まで続いている。聞けば梅雨の前線が台風に引っ張られて停滞しているらしく、大雨にも気をつけなければならないようだ。

 

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駅のすぐそばの古く小綺麗なカフェの窓際の席に座ってアイスカフェ・オ・レを頼んだ。目の前に雑居ビルが立ち並び、サラリーマンが傘をさしながら足早に通り過ぎるのを眺めながら、小さな溜息をついた。はぁ、また雨か。


昨日、自慢の黒髪ロングヘアーを明るい茶色に染めて、パーマをあてた。初めてパーマをあてたのはかれこれ10年以上前になる。高校時代、当時の彼氏に半分そそのかされて松田聖子ちゃんのように、と近所にできたばかりの美容院でそう頼んだとき、スタッフの表情が少し緩んだように思えた。松田聖子のようにって、ウププ。そのスタッフの心の中が透けて見えた気がして、逃れられないほど大きな恥ずかしさに包まれた。


あれからパーマは封印したはずなのに、職場のそこまで仲が良くもない後輩男子に、まるでハイキングウォーキング卑弥呼の方っすね、プフプフと、訴えたら勝てるし、心臓を包丁で冷酷に一突きできるほど、信じられない例えをされてしまったから、過去の松田聖子トラウマなんて気にしているどころではなくなった。早速、その例えが生まれた翌日で昨日、美容室に行き、ついでに怒りに任せて今日有給を取った。


あてたばかりのパーマが思ったよりもきついカーブを描いているのは雨による湿気のせいかもしれない。初めてかけたパーマのことをぼんやり思い出しながら、クルクルと人差し指で髪の先をいじりながら、なんかいいことないかなぁと、また小さく溜息をつくのであった。

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のような、乙女の休日よろしく暇な雨の日を送れたらなあと思った次第です。私は男ですけど。おしまい。