おくらと不安
最近、週の半ば、水曜木曜あたりに決まって胃腸の調子が悪くなる。
冷え切った水飴の如く粘度の高い泥沼の中で船をこぐように、考え出すと気が遠くなるようなゴールめがけて、進んでいるのかいないのか、さりとてえっちらおっちら必死で漕いで、というサイクルで成り立つ一週間では、休みと休みの間にちょうど疲労が心身をチクチクでなくドスドスと刺激するのだろうか。今日も今日とて胃腸の調子がよろしくない。
よろしくないと言っても普通に生活するぶんにはそこまでの支障はなく、1日1回だった大きい方が、日に3回ほどに増えた程度で、冷や汗ダラダラでウンウン唸ることもないのだが、気を抜けないというか、特に出先ではもし今来たらと不安感がつきまとうのである。
話は逸れるが、おくらの季節である。子供の頃はよく食べたおくらも一人暮らしを始めてからは特に理由もなく遠ざかっており、嫁と住むようになった昨年あたりから、再び食卓に並ぶようになったのだが、おくらをスーパーでよく見かけた、昨年のちょうど今くらいの時期だったと思うのだが、その時もお腹をよく壊していたのを思い出した。10年20年経てば、見た目や性格が変わり、ついでに体質も変わっていておかしくはない。昔は跳べた跳び箱もきっと飛べなくなっただろうし、突風のイタズラによるラッキーなチラリも捉えられないほど動体視力も失ったし、知らぬうちにおくらを消化できない体となっていた。
そういえば昨年も嫁にそんな事を言っていたと思うのだが、毎日のようにおくらが出るわ、週末に強いお酒を勧めるわ、今年はやたらと保険の加入を勧めるわで、何とも言えないヒッシリと背中に張り付くような不安はきっと、嫁の私に対する将来の不安なのだろうと思うので、予期せぬ事態でお蔵入りしないよう、今夜は正露丸4粒飲んで眠るとします。それでは。