隙間から覗く太陽と冷たい雨、A面
ここ数日の冬並みの寒さに加えて、出勤途中にしとしとと降り出した冷たい冷たい雨のせいです。
私が会社に入った途端に太陽が少しだけ顔を出したのを確認して、タイミングが悪いと不貞腐れるのか、これで少しは暖かくなると通学中の小学生を思いやれるのかは体調の良し悪しで決まります。
今日の私の体調は、帯に短し襷に長し、良くは無いが悪いとは言えず、半袖でもなく七分袖でもない、用途も見た目も中途半端な肌着くらいと言ったところでしょうか。
朝の目覚めは悪くはありませんでした。アラームの2分前にパッチリ目が覚め、ご飯に卵を落とし醤油と味の素を少量垂らし、乱暴にかき混ぜて胃袋に流し込み、何だか物足りずに小さなパンを一ついただきました。
こと体調に関してはやはり悪くはない。だけども、この凍えるほどの寒さはグレーを黒に変えかねません。
会社のデスクに着き、荷物を置こうと屈んだ瞬間、先述した太陽が顔を覗かせ緩んだ空を横目にブブーと大音量で、放屁をしてしまいました。体調が良いとするには早合点だったのでしょうか。
せめてもの救いはオフィスにはまだ誰もいないことで、私1人で良かった、助かりましたと太陽を拝みかけて、電気がついていることに気付きました。この時間にいつもはいない社員の1人が、奥の物置から出てきました。
しまったと思いつつも、おそらくは聞こえていないはず、隣まで聞こえるわけがないとは思ったのですが、トビラが開けっ放しだったとしたら、あるいは…。
何とも言えない恥ずかしさと不安が動揺を誘いどうしようもなく、寒いですねと気候から始まる日本人らしい、当たり障りのない世間話でその場を繕いました。
気づけばすでに太陽の姿はなく、再び冷たい冷たい雨が地面を打つのでした。