立ち聞きweblog

待ち合わせで相手が遅れてる時とか、何故か眠れない夜とか、通勤や通学の電車とかで流し読みして下さい。

平凡な日々、ヒビ入る夜

2017年も残すところあと3ヶ月とちょっとだが、私のiPhoneの支払いが終わるまであと1年と6ヶ月である。だいたいが2年間分割で機種代を払う仕組みなのでまだ6ヶ月分しか払っていないことになる。


昔から物持ちは良い方で、携帯は2年で交換したことはないし、使い始めて半年くらいは、小1のランドセルよりもピカピカなことがほとんどだったが、かれこれ5〜6年くらい前だろうか、iPhoneに替えてからというもの、1年も経てば1000円と言われても買い渋るようなボロボロのiPhoneが出来上がる。単純に携帯を取り出して手に取る行為が格段に増えたことよって落とす頻度も自然と増える。


当然2年を待たずして機種変することもあったし、このままでは数少ない私の長所の一つに胸を張ることができなくなってしまうと、前回、つまりは半年前に機種変してからは、大切に使って来た。事実、さっきまでバキバキにヒビが入った3000円以上する画面の保護フィルム以外はこれと言った傷はなく、中古屋さんに出せば、新古品というタグが貼られてもおかしくはなかった。さっきまでは。


夜も涼しくなってきたし、のんびり湯船に浸かったのが原因かもしれない。防水だからってお風呂に持ち込んでまるまる1時間、2ちゃんねるをサーフィンしていたのが良くなかったか。のぼせ気味に風呂から上がり、コップに入れた水をがぶがぶっと飲み干して、涼みがてらベランダで一服しようとした。


長風呂により手の油が落ちきったのか、まるで握力がないかのように抵抗なく手からスルリと抜け落ちて、カツッと乾いた音を立ててコンクリに上部から突っ込んだ。よりによってベランダで、なぜに室内でなく屋外か、なぜに絨毯でなくコンクリか。案の定上部に嫌でも気になるごまかしの効かない傷がついてしまった。


食べ物が喉を通らなかったり、小説で同じ段落を繰り返し読んでも内容が頭に入らないというほど心打ちひしがれる、そういうわけではないのだが、なんというか、好きになりかけていた異性が自分だけに冷たかったような、まだ好きじゃなかったしと強がりを言い残して、しばらく1人になりたくなる程度ではあり、弱く繊細な心にしてはまあ軽症の部類である。


形あるものはいつかは壊れるし、どちらにせよどうせまた交換するだろうから、気にするこたあない、どんまいどんまい。横で口半開きのまま寝入る嫁の高めの溶けかけたチョコレートを2個いただいて少しだけ気がすんだ平凡な夜、凹んだiPhoneだけが今日の日を記憶に刻んでいるのである。


いよいよ夜更けが寒くなってきました。皆様乾燥した夜風で喉を乾燥させないよう口をしっかり閉じて眠ってください。それでは。